◆あの日あの時 2

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  「んじゃ買っちまった材料はどうするんだよ」 「材料はどうとでもなりますよぉ、上層部の食堂で料理して貰いましょー」 「料理して貰うんなら結局一緒じゃねぇか」 ジンさんが珍しく眉間にしわを寄せた。 「あのねですねぇ、アレウス様。 今から材料をハートインレットに運んで準備を始めたとしましょう、肉にありつけるのは軽く1時間後なんです。 1時間あったら何が出来るかご存知ですかぁ?」 ジンは続ける。 「アナタに分かり易く言えば1時間もあれば書類を十数枚仕上げることが可能です。 RIVIROの総収入と年間書類数を計算すると1枚の書類を仕上げるごとに20万のお金がRIVIROの利益になるんですよォ? それを1時間で15枚仕上げたとして300万の利益」 ジンさんはまだまだ終わらせないつもりらしい…。 「今から無駄に準備するより想定していた仕事をこなし、利益を齎すのが上層部の仕事じゃないんですかねぇ? 食堂の方々も僕達も仕事が出来る、極めて能率的じゃないでしょーか」 う…ジンさんが言ってることも最もな気がする…。  
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