◆あの日あの時 2

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  ―― RIVIRO敷地内 ―― 森の入口 「「却下」」 キュイラスさんとジンさんの声がハモった。 「あのね、いきなりバーベキューをしようって言うのが間違いなんだ。 アレウスも大人なんだし、皆にも都合があるんだしよく考えないと」 誰もが納得する大人な意見を述べるキュイラスさん。 「仮にもアナタは裏社会において重要なアイデンティティがある人なんですよォ? アイデンティティがあるくせにモラルハザードを露呈するってどう言う了見なんですかぁ? それで人間を名乗ってるって恥ずかしくないんですかぁ?」 ジンさんに至っては日が昇ってる内に外に出されたのが気に障ったみたいで超不機嫌。 対するアレウスと言えば…。 「うるせぇのを忘れてた…」 まるでお母さんから小言を言われている思春期の子供みたいに、この上なく鬱陶しそうにしていた。 「別に良いじゃねぇか、俺は皆でバーベキューして楽しみてぇんだよ」 「それは良いことだと思うけど、いきなり過ぎるんだって」 「はた迷惑でぇす」 ここでアレウスが舌打ちをする。 あわわ…アレウスの機嫌が下降するのが手に取るように分かる…!  
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