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この時も、そいつはただ獲物を探していただけだった。
そして、そいつは一つの場所に辿り着く。
もしかしたら寝蔵を探していただけかもしれなかったそいつが、その頂点へと上り詰めた。
全ては、獲物、もしくは寝蔵の為だった。
それを知る由もない俺は、いつも通り、自室の扉を、全くの無警戒さで、開いた。
刹那、身を潜めていたそいつは、落ちる。
それは、俺の右肩に足を引っ掛けて踏みとどまる。
びっくりした俺は、右腕をばたつかせることでそいつを体から遠ざけた。
真っ暗な部屋の中、異様に黒光りするそれは、“G”だったのだ。
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