夏のおわり

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中学生のときに知りあった おいらたちは高校3年生の 今まで、ずっと仲がいい。 ケンカも一度もない。 それは、もちろん 相手がしゅーくんだから。 O「やっぱ濡れると   寒くなるね」 体がひんやりしてきて 手でタオルをきつく 巻き付ければ。 O「‥‥‥」 こんなこと、言ったら しゅーくん怒るかな? ちらり、見てみれば なぜか目が合って。 O「しゅーくんの匂いがする」 S「っ‥‥//」 やっぱり少し歪んだ顔。 怒ってんのかな? でも言いたかったんだから しょーがない。 S「そう言うことは   言わないの!   他の人にも言っちゃダメ」 うあ。 やっぱ怒ってるや。 こういうこと言うと必ず しゅーくんって怒んだよな。 それでも。 O「ふふ、」 S「…なに?」 O「かお赤い」 やっぱり言っちゃうのは しゅーくんの顔が いつも赤いから。 照れてる、しゅーくん かわいんだもん。 なんで照れるかは よく分かんないけど。 S「小悪魔め‥‥/」 そう呟く声が きこえた気がしたけど おいらは気にすることもなく 部活で使ってる更衣室を 借りるために中に入った。 ちょっと汗の匂いが 染みこんでる、この部屋。 部活の人には失礼だけど 早くでたい。 でも、おいらが着替えようと タオルをおいて 上着を脱いだしゅんかん。 S「ちょ、悟くん!」 O「ぅ、え?」 慌てた声に振り向けば しゅーくんが急いで ドアを閉めてた。 S「まだドア開いてるから!」 O「そんなの、おいら   男だし大丈夫だよ?」 S「それが大丈夫じゃ   ないんだってば…」 ため息をついた しゅーくんは、ほんとに よく分からない。 とりあえず着替えを 進めていく。 しゅーくんはベンチに 座ったまま、俯いて。 俺は立ったままで。  
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