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色鮮やかな画面が
真っ黒に変わった瞬間。
俺はゆっくりと顔を上げた。
そこには夕陽に染められた
空がオレンジに色づいてて。
N「やっべ、今何時だっけ」
DSを持ってる逆の手で
携帯を取り出して
確認してみれば。
N「‥‥4時、46分…?」
さっき見たときは
2時ちょいだったのに。
ゲームをしてたら時間を忘れて没頭してしまう。
ま、好きだから
しょうがないんだけど。
純先生、サボったこと
どーせ怒ってんだろうなぁ。
なんて、思いながら
DSを鞄に押し込む。
これも純先生にバレたら今後
持ち物検査されて二度と
持ち込めなくなったりして。
‥‥考えただけで身震い。
そうなったら、たまに
この屋上で一緒にDSで
遊んでた柾斗のことも
ちくってやる、なんて
捻くれた考えを巡らせてると。
「はははっ」
聞こえてきた楽しい笑い声。
少しだけ身を乗り出して
下を見てみれば男2人が
仲よさ気に水で遊んでた。
‥‥‥つか。
N「つっこむとこ
多すぎだろ」
まず9月に水遊びとか
時期外れだし。
学校でするとか
ただの馬鹿だし。
というより、この年で
水遊びとかガキだし‥‥。
なにより、ほんとに
楽しそうに笑ってる2人は
恋人同士みたいで。
「さ‥‥、くん
ホース、かえ‥‥よっ」
「‥‥たい、‥‥だっ」
ここからじゃ
途切れ途切れしか聞こえない。
元気の有り余ってることで。
なんて少し冷めた目で
2人を見ていると。
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