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只今、午前6時
10畳以上ある部屋の真ん中で私は寝ていた
気持ちいい布団に快感を感じていたのに
布団の上で鳴り響く携帯のアラーム
目覚まし音はベートーベンの失望に満ちたあの曲
私は、枕につっぷして携帯電話を開き、ボタンを探るようにして止めた
やっと止まったと思ったら、また睡魔が襲ってくる
しかし、起きなければならない
"あれ" が来るから
渋々、体を起こし浴衣で着崩れした上半身を丁寧に直す
......ドタドタドタドタ!!!!
最初は足音が聞こえなかったが、どんどん近づいて来るのがわかる
と言うか、最後は走って音も隠さず向かってくる
シャッツ
勢いよく、障子が開けられそこには....
「おはよ♪」
幼馴染みの『藍原 紫苑』が、朝の光より眩しい笑顔で挨拶をしてきたのだった
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