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Irresponsible
世の流れに逆らい続けた
ある女の話
独り一番前の方で
花弁を売り続けた
ある女の話だ
清らかな 耳を刺す程の
静寂な山奥から沸き上がる
サラサラの水は
やがて低いを求めて
小川が上流ならば
いずれ大河となり
果ては母なるあの
大海原へと吹き込まれ
また空へ上がりそして
地上に染み込みをもたらし
悲しみも喜びも苦味と
口実も全て連れて地球の
核心へと 確信へと
自然の流れに逆らわずに
女は生きていたかった
それは何かを守る為でも
自らを守る為でも
全くそうではなかった
だから流れるのだ
その體から溢れる
心からの湧き水は
やがて誰かの為になり
見返りは求めていない
人からは嘲りの芽を貰い
人からは愚弄の朽ちを貰い
人からは怨恨の花を貰い
ただ ありがとうと
その女は
笑っていたんだ
ただ 笑っていたんだ
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