ジュラルの大恩返し、そしてアカギから恐怖の挑戦状

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「ここは…」 屋上らしき場所。地面はホワイトで、柵にはパンジーなどありふれた花が植わっている。研は室外機からの熱い空気を受け、ぼうっとした。 夕陽は地平線すれすれのところで保っている。いずれ夜になる。だとすればキチビクは出来なくなる。 「光が…」 見張りジュラルが寝ている。きちんと折り紙布団まで持ってくるとは用意周到だ。魔王にバレたらどうするんだろう。 「んあ!何か言ったか??」 「…」 「全員起きろ~!こいつ目が覚めたらしいぜ」 縄がほどける。しかし陽は沈んでいるため変身出来ない。今にもビームを撃ちそうだ。飛びかかる研。が、失敗し首を絞められる。腹蹴り。ジュラルは体をうねらせ地面に倒れた。後二匹もいたが後ろを見ず疾走。階段を音が出ないよう静かに滑るように降りた。道に出ると側の神木に隠れた。 「くそ~逃がしちまった」 「アカギに健康ランド優待券貰えるから雇ってもらったのによお」 「それにしても研は魔王が死にそうになったのが作戦の一つでだと思っているだろう。俺たち二人は半分裏切っているからな。だが、それとこれは別なのさ」 「え?」 「聞いたなこいつ」 電灯に光を貰いキチビク。アルファガンをそれぞれ二発当てる。「ぎゃあああああ」「うあああああ」と声をあげ消え去った。ジュラルの一生は短い。 「終わりだと思ったか?」 「これから毎日家を焼こうぜ?」 アカギは火炎放射機を発射し振り回した。目の前…先ほど降りてきた建物が、みるみるうちに燃え上がる。 「その真似事はよせ」 「犯罪者を見逃した罪なのさ」 「ぐぬぬ」 「いいか、動物や人を無差別に殺したりするのはやめるんだな」 「嫌」 アルファガン。しかし光線は外れる。なぜなら排水溝に隠れやがったからだ。 「まあ、あの家が雄一の住む場所だとは夢にも思うまい」 バレバレだ。声がはっきり聞こえている。 「僕、帰るよ」 「作戦の一つだと思ったのか?はははははははは」 「…」 「見てこいチャージマン研!変身していれば簡単だろう?もし雄一が中にいたらどうする気だ」 「『犯罪者を見逃した』」 「だから助けないと?研らしくないな。倫理をめずらしく理解するなんて変だな」
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