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焼け落ちた玄関ドアをまたぐ。部屋に入ったが見覚えがあるのだかそうでないかわからない。それぐらい火がまわっている。下の階は壁やカーテンなどほぼやられている。ということは二階か?階段を登る。ひどく煙たい。煤が時々舞い上がり肩や頭に落ちた。
「雄一君!!!!!!!!」
自室らしきほうへ叫ぶ。けれども反応は無い。
「開けるよ…」
ドアノブは冷えていた。内部はクリスタルの彫刻が無数にあり大半は動物や船だ。意外と高尚な趣味には驚きを隠せなかった。振り返るとドアに火が付いている。知らないうちにここまで来ていたのか。突破すると階段へ戻ってきたが…。
「どうだい、だまされる気分は?」
―――どこからか声が聞こえる。
「この家に雄一はいない!!!!ついにここまでだねぇチャージマン研」
階段の前には赤い等身大の炎が床から燃え上がっている。ここを通るには一時的に体を焼かれるしかない。
「負けるもんか」
しかし煙が充満し息を吸い込むことが出来ない。
「チャージングGO!!!!!」
窓の隙間から光を取り込みチャージマンに変身する。そして飛び込んだ。身体に火が伝わる。―――痛い。通過後も足から頭まで火は燃えていた。洗面所と思われる所に入ると、風呂の水に身体を浸からせた。
「でも何でこんな濁ってんだろ」
戸外に出る。朽ち果てた看板が草の間から見えていた。
<入居者募集中>
パパとママからのmallが届いた。
<もうす変えるから>
―――誤字?どうしたんだろう。
そしてキャロンとバリカンも
<足他パパと真間と一矢かえ>
―――暗号?意味がわからない。
ますます不安を覚えた。
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