雄一少年を探せ!

6/7
前へ
/17ページ
次へ
ほどなくして白衣を来た男がやってきた。赤髪で首から野蛮民族が付けていそうなネックレスを下げていた。 「派手に穴が空いてるな。こりゃ弁償してもらわないと」 「魔王を助けて!死にそう何です!」 「この格好は一体…」 「お願いします」 「いや、でもねぇ」 「アルファガン」 医者頭に突き付けた。 「わ、わかったよ」 魔王は治療室へ連れていかれた。蘇生しているところを始終見ることは出来なかった。一時間経つと赤いランプが消えた。真っ先にドアの前に立った。 「どうでしたか?」 「失敗だったよ」 室内のベッドには魔王がいて、顔には白い布がかけられていた。体を揺すったがぴくりともしない。研は椅子に座りうなだれた。ふいに風が起きた。ドアは閉まったままなのに。 「私は生きておるよ」 「!?」 「医者に事情を話すのは面倒だったのだよ。命を救ってくれてありがとう」 「魔王…」 「見返りに話なら何でも聞こう。その前に病院を出るとするか」 入り口を出るのは看護婦を気にしなければ問題がなかった。病人ではあるし体に悪いことは出来ない。だから色々考えたすえ、健康ランドへ連れていった。湯に浸かると今まで起こったことが嘘のようだった。 「雄一少年を誘拐したのはジュラルでしょうか」 「放火の一連のことは部下から聞き知っておる。しかし仲間にしたり使ったりしろとは命令しとらん」 「関係無いと…?」 「そうだ。それにしてもお前の話は他人事ではすまされんような気がした。だからこちらとて協力すりゅ」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加