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なんだかドッと疲れたけど、
今日もなんとか1日が終わって、
リビングのソファーに埋まった。
「ご飯はお父さんが帰ってきてからね?
…って、どうしたの、夜?
随分と疲れた顔してるわよ?」
お母さんがソファーの背もたれに両肘を付いて私を覗き込んだ。
「ちょっとねー。
あ、きーちゃんがこっちに帰ってきたみたいだよ?
家は離れちゃったけど。
駅の近くみたいで、
そこまで送ってもらった」
私は電車通学で、
学校まで二駅離れている。
「あらあら、そうなの?
良かったわねー!
あの綺麗なコでしょう?
もう引っ越して三年になるのねー。
あの時は両親のお仕事の都合だったのよね。
輝刹ちゃん、普段は我が儘なんて言わないコなのに、
その時ばかりはかなり愚図ったみたいで、
こっちに残るって言って聞かなかったみたいよ?」
…それは初耳。
私達の前じゃ、そんなの全然、表情にも出さなかったのに。
★
お父さんも帰ってきて、
夕飯とお風呂を済ませて自分の部屋に戻った。
今日の課題と予習復習をやって、
ぼんやりとファッション雑誌を捲っていたらケータイが鳴った。
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