if

16/21
前へ
/21ページ
次へ
  ★ それから、きーちゃんとは学校でもいつも一緒にいるようになった。 幼なじみだから、以前のように、 ううん、昔よりも仲良くなれたと思う。 ただ、一つだけ。 「夜ー、お昼、一緒に食べよー」 「きーちゃん、抱き付かないでーっ」 この胸のドキドキはいったい何だろう? きーちゃんが笑うと嬉しいのは何で? ★ 早いものでもう週末になった。 私が一度、家に戻ると言うと、 「私も行っていいかな? 朝陽さん達にも挨拶したいし」 と言ってきーちゃんも付いてきた。 そっか、三年ぶりだもんね。 お母さん、びっくりするだろうなぁ。 きーちゃん、 こんなに綺麗になったんだから。 ★ 「あらあらあらあら、久しぶりねぇ。 ずいぶんと美人さんになって~。 しかも大きくなったわね~」 お母さんはきーちゃんを見るなり、 満面の笑みで彼女を迎えた。 「朝陽さんもお変わりなく美人ですね」 きーちゃんも嬉しそうに挨拶する。 「もう、うまいんだから」 ウチのお母さん、美人だよねぇ。 んあー、私もお母さんの遺伝子が欲しかったよー。 よく似てるって言われるけど、 ぜんぜん似てないもん。 「じゃあ、きーちゃん、 ちょっと準備してくるねー」 私はきーちゃんに向けて言うと、 自分の部屋へと向かう。 準備だなんて言ったけど、 実はもう昨日のうちに済ませてあるから、 あとは制服を着替えるだけなんだよね。 今日、着ていく服も昨日、散々悩んで決めてあるからバッチリ! ……なんで私はこんなに気合いが入ってるんだろう? 友達の家に泊まりに行くだけなのに!  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加