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★
それから、きーちゃんとは学校でもいつも一緒にいるようになった。
幼なじみだから、以前のように、
ううん、昔よりも仲良くなれたと思う。
ただ、一つだけ。
「夜ー、お昼、一緒に食べよー」
「きーちゃん、抱き付かないでーっ」
この胸のドキドキはいったい何だろう?
きーちゃんが笑うと嬉しいのは何で?
★
早いものでもう週末になった。
私が一度、家に戻ると言うと、
「私も行っていいかな?
朝陽さん達にも挨拶したいし」
と言ってきーちゃんも付いてきた。
そっか、三年ぶりだもんね。
お母さん、びっくりするだろうなぁ。
きーちゃん、
こんなに綺麗になったんだから。
★
「あらあらあらあら、久しぶりねぇ。
ずいぶんと美人さんになって~。
しかも大きくなったわね~」
お母さんはきーちゃんを見るなり、
満面の笑みで彼女を迎えた。
「朝陽さんもお変わりなく美人ですね」
きーちゃんも嬉しそうに挨拶する。
「もう、うまいんだから」
ウチのお母さん、美人だよねぇ。
んあー、私もお母さんの遺伝子が欲しかったよー。
よく似てるって言われるけど、
ぜんぜん似てないもん。
「じゃあ、きーちゃん、
ちょっと準備してくるねー」
私はきーちゃんに向けて言うと、
自分の部屋へと向かう。
準備だなんて言ったけど、
実はもう昨日のうちに済ませてあるから、
あとは制服を着替えるだけなんだよね。
今日、着ていく服も昨日、散々悩んで決めてあるからバッチリ!
……なんで私はこんなに気合いが入ってるんだろう?
友達の家に泊まりに行くだけなのに!
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