if

17/21
前へ
/21ページ
次へ
  ★ 友達……か。 あれ? 胸が痛い。 ★ きーちゃんの家は駅前のマンションだ。 てゆーか。 「でかぁ……」 思わず見上げてしまった。 これって去年に完成した、 高級マンションだよね? お母さんが言ってた気がする。 「どうしたの、夜? 早くおいで」 きーちゃんが、自動ドアって言うか、 その横のセキュリティーを慣れた手付きでいじりながら私を呼ぶ。 す、すご……。 きーちゃんって実はお金持ち? ってことをきーちゃんに訊いたら、 「あー、どうだろ? よく知らない。 無駄遣いはしないようにしてるけどね」 とか言ってるけど、確実にお金持ちだよ。 ★ きーちゃんの住んでる一室に入ると、 「リビングにいてね」 と言って彼女は自分の部屋に入った。 私は悪趣味なのも不躾なのも忘れて、 部屋をアワアワと見回した。 モダンってこういう感じなんだろうなぁ。 落ち着いた雰囲気なのにどこかお洒落だ。 掃除も隅々まで行き渡ってるし。 あ、でもキッチンに洗い物が残ってる。 私は手持ち無沙汰なのもあって、 それに洗ってみることにした。 幸い、ウェスもすぐに見付かったし。 そんなことをしてたらきーちゃんが部屋から出てきて、 「うわ、夜、そんなことしなくていいよ」 慌てた様子でキッチンまでやってきた。 「あ、勝手にやっちゃってごめんね? でも、なんか落ち着かなくて……」 やっぱりマズかったよね。 勝手に部屋のもの触るなんて。 私がしょんぼりとしてたら、 きーちゃんは私の頭を撫でてくれた。 「ううん、ありがとう、夜。 でも夜はお客様なんだよ? 今日はされるがままになっててください」 そう言ってまたリビングに押され、 そのままソファに座らせられる。  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加