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★
友達……か。
あれ? 胸が痛い。
★
きーちゃんの家は駅前のマンションだ。
てゆーか。
「でかぁ……」
思わず見上げてしまった。
これって去年に完成した、
高級マンションだよね?
お母さんが言ってた気がする。
「どうしたの、夜?
早くおいで」
きーちゃんが、自動ドアって言うか、
その横のセキュリティーを慣れた手付きでいじりながら私を呼ぶ。
す、すご……。
きーちゃんって実はお金持ち?
ってことをきーちゃんに訊いたら、
「あー、どうだろ?
よく知らない。
無駄遣いはしないようにしてるけどね」
とか言ってるけど、確実にお金持ちだよ。
★
きーちゃんの住んでる一室に入ると、
「リビングにいてね」
と言って彼女は自分の部屋に入った。
私は悪趣味なのも不躾なのも忘れて、
部屋をアワアワと見回した。
モダンってこういう感じなんだろうなぁ。
落ち着いた雰囲気なのにどこかお洒落だ。
掃除も隅々まで行き渡ってるし。
あ、でもキッチンに洗い物が残ってる。
私は手持ち無沙汰なのもあって、
それに洗ってみることにした。
幸い、ウェスもすぐに見付かったし。
そんなことをしてたらきーちゃんが部屋から出てきて、
「うわ、夜、そんなことしなくていいよ」
慌てた様子でキッチンまでやってきた。
「あ、勝手にやっちゃってごめんね?
でも、なんか落ち着かなくて……」
やっぱりマズかったよね。
勝手に部屋のもの触るなんて。
私がしょんぼりとしてたら、
きーちゃんは私の頭を撫でてくれた。
「ううん、ありがとう、夜。
でも夜はお客様なんだよ?
今日はされるがままになっててください」
そう言ってまたリビングに押され、
そのままソファに座らせられる。
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