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朝起きて、私は寝ぼけ眼をこすった。
頭が少しボーっとしている。
寝過ぎちゃったのかな?
「ふぁあ…、んん…」
私は欠伸をしたあとに背伸びをした。
うー、伸びるー。
そのままダルーってベッドにダイブしようと思ったら、
「夜ー!
早く起きないとナナちゃん来ちゃうよー!
あとご飯出来てるからー!」
とリビングからお母さんの叫び声がした。
そんな大声出さなくても聞こえるのに。
いつもより遅く起きちゃった私も私だし、
文句は何にも言えないんだけどね。
「すぐ行くよーっ」
とお母さんに返事をしながら、
私は学校の制服に着替えて、
リビングに降りた。
「おはよう、夜。
お父さん、もう食べ始めてるよ」
急かされながら、おはよう、とお母さんに返事をしてから私も席に座った。
今日の朝ご飯はトースト、サラダ、卵焼きとベーコンで、美味しそうな匂いがお腹を刺激してくる。
「お父さんもおはよう」
私が挨拶をすると、お父さんは、
おう、と短く言って微笑んだ。
普段から無口だけど、
無愛想じゃないんだよね。
それから朝食を済ませて、
父娘並んで歯を磨いていたら、
玄関のチャイムが鳴った。
「あー、ナナちゃん、おはよう。
いつも迎えに来てくれてありがとねー。
夜もすぐくると思うけど、
上がって待ってる?」
パタパタとお母さんが玄関を開けて、
「おはようございますなの、朝陽さん。
大丈夫ですの、ここで待ってますの」
七色の声が聞こえた。
もう来ちゃったんだ。
急いで歯磨きを済ませて、
私は鞄を取って玄関に向かった。
「おまたせ!」
とローファを履いていたら、
「夜、お弁当持った? 忘れ物は無い?」
とお母さんがリビングから顔を出した。
「えと、えと」
ちょっと焦りながら鞄を漁ったり、
ポッケの中を調べて、
「無いよ! 行ってきます!
ごめんね、七色、行こ?」
私は扉の前で待ってた七色に声を掛けた。
「「いってらっしゃい」」
後ろから両親の声が聞こえて、
私は笑う。
「行ってきます!」
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