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HRも間近になった頃に、
私の中学からの友達の一人が入ってきた。
「おはよう、クロ。
どうしたの?今日は遅かったね?」
真っ黒で長く綺麗なポニーテールを、
適当に手で払って、
クロは楽しそうに言う。
「くふふ、ちょっと用事があったんだ。
きっと君も驚くだろうね」
何か隠し事をしているんだろうか、
クロはそれ以上は、
お楽しみだと言って教えてくれない。
「気になるよー」
とボヤいてみても、
すぐにわかるから、とニヤニヤされた。
悔しいから頬を引っ張ったら怒られた。
でも柔らかかったなぁ。
とか思っていたら、
担任の先生が入ってきた。
「おらー、黙れガキ共ー。席付けー」
とすごくダルそうな櫛屋先生。
もう、ちゃんとすればステキでいい先生なのに。
授業もわかりやすくて面白いし。
「今日は出席の前にサプライズだぞー。
入ってきていいぞー」
櫛屋先生が扉に向かって声を掛けて、
廊下に立ってた誰かが教室に入ってきた。
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