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  そして誰もが息を飲んだ。 それは驚愕だったり、感嘆だったり、 人それぞれだったけど。 「……綺麗…」 と誰かが思わず零した声が聞こえた。 高い身長に細身の身体、 顔は小さくて、すごく整っている。 目は大きいけど、少し眠そうに瞼を半分閉じているのが可愛い。 そんな静寂の中、 教室に入ってきた彼女は綺麗に微笑んだ。 「だいたいの人は初めてまして。 神代 輝刹です。 久しぶりだね、夜」 そしてふにゃっと笑った彼女に、 私は、何も言えずに口をパクパクさせてしまった。 そしてそんな静寂も長くは続かなくて、 教室中が騒ぎ始めてしまった。 彼女は急に騒がしくなったからか、 かなり驚いた顔をしている。 私は、ただ、 「きーちゃんだー…」 と呟くしかなかった。  
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