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彼女、神代 輝刹とは幼なじみだ。
小学校までは家も近かったからいつも一緒にいた。
でも、中学にあがる直前に、
親の仕事の都合とかで引っ越してしまい、
それから連絡は取っていなかった。
だって彼女は、
何も言わずにいなくなったから。
★
HRが終わって、彼女がクラスメートに質問責めに合ってるのを遠巻きに見ながら、私はクロと話していた。
「驚いたろう?」
クロが、クックッと笑っている。
「…そりゃ、驚くよー。
急すぎるし、すごく綺麗になってるし」
私は頬杖をついて彼女を眺めた。
答えにくいことでも訊かれているんだろうか、困ったように苦笑して、それでも何かを話している。
「小さい頃から可愛かったけど、
あれは反則だよー」
あー、どうしよう、あのコから目が離せないよ。
久しぶりだからかな、ドキドキしてるし。
「君も充分に反則的に可愛いけどね」
とクロに言われて、
「ありがとー。
でもクロはもっと可愛いよー。
私なんて全然だよ。
これでも努力してるんだけどなー」
と零したら、
「君は自覚が無いんだね」
と苦笑いで返された。
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