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  クロと話しながら彼女を見ていたら、 ふと目が合ってしまった。 心臓の音が跳ね上がる。 うぁっ、立ち上がってこっちにくるよ!? 私の人見知りが発動してるのはなんで!? 幼なじみなのに! 「やっと解放されたよ。 久しぶりだね、ヨル」 ぱぁっ、とさっきまでとは違う、 凄く自然で可愛い笑顔で彼女は言った。 「えと、きーちゃ、じゃなくて、 か、神代さん…?」 どんなふうに呼んでいいかもわからなくなって、私がテンパっていたら、 「昔みたいにきーちゃんって呼んで? それとも、もう私なんて嫌いになっちゃった? そうだよね、何も言わずに引っ越しちゃったし、嫌われてもしょうがないよね」 と急に悲しそうな顔をするから、 「そんなことない! 私はきーちゃんが大好きだよ! 昔だって、今だって、ずっと!」 と教室で思いっきり叫んでしまった。 教室がシン…と静まり返る。 やば…と思った時にはもう遅くて、 「何、愛の告白してるんだ?」 とクロが顔を真っ赤にして言って、 私は体温が一気に上がってしまった。 熱い、顔が熱い! 教室が一気に騒がしくなる。 はやし立てるようになんか言ってるけど頭に入ってこないよ! 「そっかー、嬉しいなぁ。 ありがとー、ヨル」 とかきーちゃんはきーちゃんで私に抱き付いてくるし、 ってちょっと待って! 心臓がヤバイから! しかも身長差的に私の顔がきーちゃんの胸に当たるんだけど! 「きーちゃん、ちょ…!!」 「んふー」 そうだこの人ハグ魔だった!!  
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