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「え? 沖縄に出張って……信じられない……
どうして? どうしていつもそうなわけ?」
「フウ子ちゃん、我がまま言わないで。ね?」
「だって、次は絶対絶対絶対ッ四国に連れていくからって約束したじゃん!」
「お父さんだってお仕事なんだもの、仕方ないでしょう?」
「いっつもそう! 仕事仕事仕事って!」
「…………」
「仕事が大事なのはわかるけど、私だってずっとずっと楽しみにしてたんだ!
お父さんの仕事と同じくらい私にとっては大事な約束だったんだ!」
「フウ子、あのな――」
「お父さんの言い訳なんか聞きたくない!
どうしていつも大人の都合が優先されるの!?
そんなのっておかしいよ! 約束も守れないお仕事なんてやめちゃえ!」
フウ子が嵐のようにまくし立てて去っていくと、
居たたまれない静寂だけが残った。
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