「風紋」

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数時間後、母親が慌てて父親に告げた。 「あなた大変! フウ子がいないの!」 「なに!?」 「今あの子の部屋に行ったら居なくて、これが丸められて捨てられてたの!」 父親がくしゃくしゃになった手紙のようなものを受け取って目を通す。 そこにはフウ子の字でメモが記されていた。 四国についたらお父さんとしたいこと。 四国の海の潮風を浴びながらお父さんとドライブがしたい! お父さんと一緒に桂浜を散歩したい! それから、山も川も名所は全部めぐりたい! それからそれから……etc お母さんとしたいこと。 四国の浜辺で海を見ながらゆっくり話したい! 進路のこととか。好きな子のこととか。 まあ、ハリケーンみたいにやかましい奴だけど。わりとイケメンだし。 最近、あまりうまく話せてなかったから、この際いろいろ話したい……。 あとやっぱり、看板をなぎ倒す勢いでおいしいうどん屋さん巡りしてみたい。 それからそれから……etc 「あなた? あの子、まさか一人で――!」
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