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「ようやく終わったー、つかれたー、やすませてー」
建物に入るや、彼は悲鳴を上げた。
何せこの一週間、いつものお仕事で出張勤務をしていたのだ。
主に`肉体労働'をすることになる為、休みもろくに取らせて貰えない彼の身体はズタボロなのだろう。
服も大変汚れているのも、そう窺える一因なのだが、何せ関節が曲がる度にパキパキと音が鳴ったり、悲鳴が上がる。
どうやら限界は越していてもピークはまだ先らしい。
そんな彼に冷たい言葉がぶつけられる。
「うっさいわねー、あんたの近くに居ると余計疲れて来るのよ。黙りなさいってか死んで」
「おいおい、流石に死ねは酷いんじゃない」
もう一人の声が軽い笑いを伴い被さった。
今、この三人は仕事の終務報告の為に長い廊下を歩いている。
「っていうかシャシャ、あんた疲れてないの。前の前の任務から休み無しで一ヶ月過ぎてんのよ、なんで平気な顔してんの」
「えー、いや俺だって疲れてるよー」
またしても軽い笑いが伴う。
軽薄というよりかは、さっぱりとした印象を受ける彼は、三人の中で一番背が高く、年齢も上のようだ。
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