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そしてその一つは彼を目指して光の尾を引きながら落ちてくる。
━━これは天国からの迎えなのだろうか………?
徐々に大きくなる光を虚ろな瞳で見つめ続ける彼を光が包み込んだ。
果たしてそれは機械だった、そして同時に人であった。
鋭角的な金属のパーツを纏ったその姿は、さながら彼が見ていたロボットアニメの機体のようだ。ただ違うのはそれを人が鎧のように装備しているという点だ。
それにみとれた瞬間に、突如、鈍い色の鋼の巨体が炎を切り裂きながら襲いかかってくる。
━━あっ…………
少年が声が発するより先に鎧を着た人物が体を高速で一回転した。
その手にはいつの間にか握られていた朱く煌めく両端に刃が付けられた武器。
少年は何が起きたか分からなかったが、次の瞬間に金属の怪物が音を立てて崩れ落ちる。
そこで漸く目の前の人物が一瞬の内に怪物を切り伏せたのだと気付く。
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