第1章 生徒会役員達の日常Ⅰ(前編)

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「ちょっと良い?徹…。」 と、俺は、モジモジしている零哉をスルーして徹を呼んだ。 「ん~。良いよ。何?会長。」 「ここじゃ…話しにくい。からさ…」 と、俺は、言いながら徹を連れて階段の方へ行った。背後から悪魔が着いてきているとは知らず… ‐階段にて‐ 「何?会長。」 「徹って鈍いね。」 「えっ!!何が!?」 「真鈴ちゃんの事だよ!!」 と、俺が言ったら、恐怖を感じ振り返った。 なぜなら背後に禍々しい殺意を感じさせる不動明王(悠里乃)が立っていたからだ。 「何かな…ゆり(怯)」 「真鈴ちゃんが何?(睨)」 「いや…何でもないよ?」 「嘘つき!!真鈴ちゃんの事が、私より好きなんだ…」 と、悠里乃は、涙を見せながら、俺を怒った。 「ゆりだけが好きなんだって!!」 「ホントに?」 と、悠里乃は、俺に言いながら抱きついて来た。 「ちょっ…と危ない!!助けて、徹!!」 「お、あぁ!!」 と、徹は、言って、階段で倒れそうになっている俺を一段降りて支え、俺を元の場所に押し戻した。 「あれ?今度はゆりから…」 ムギュ~っと悠里乃は抱きつき、顔を俺の胸にくっつけた。 「あのさ…先輩達が、見てるけど…」 と、俺は、先輩達の方を見た。 「俺らは、良いから、抱きついとけ。」 「凜…私を気にせず仕事して?ねぇ?」 「良いの?んじゃ、その言葉に甘えるよ?」 「先輩。懇親会の出し物の案ですよね?」 「そうだけど…良いのか?彼女…」 「はい。離れたくないらしいので…」 と、俺は、三年生の先輩に言って出し物案の紙を貰った。 「あれ…先輩。これは何ですか?」 と、俺は、???の所を指さし訊ねた。 「それは…人間チョコフォン…」 「却下。」 「何で却下する!!他人の話の途中で!!」 「予算的に…です。」 「なら、くじ引きで賞品GET♪みたいな…」 「んじゃ…その賞品は、どこから?」 「家から要らない物を送ってもらう」 「分かりました。それなら承認します。」 「ありがとう。」 と、三年生の先輩は、部活へ向かった。 今、俺と悠里乃、徹は3階の生徒会室近くの階段に居る。 「凜…」 「何?ゆり?」 「痛くない?」 そういえば、俺は、ずっと悠里乃に抱きしめられてたんだっと今、気付いた。 「大丈夫だよ!?俺は、嬉しいよ。ずっとゆりに抱きしめられて。」 「あの…俺らのは…」 と、二年生の先輩の一言で、俺は、急に天国から現実に帰されたような感じがした。
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