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「ちょっと良い?徹…。」
と、俺は、モジモジしている零哉をスルーして徹を呼んだ。
「ん~。良いよ。何?会長。」
「ここじゃ…話しにくい。からさ…」
と、俺は、言いながら徹を連れて階段の方へ行った。背後から悪魔が着いてきているとは知らず…
‐階段にて‐
「何?会長。」
「徹って鈍いね。」
「えっ!!何が!?」
「真鈴ちゃんの事だよ!!」
と、俺が言ったら、恐怖を感じ振り返った。
なぜなら背後に禍々しい殺意を感じさせる不動明王(悠里乃)が立っていたからだ。
「何かな…ゆり(怯)」
「真鈴ちゃんが何?(睨)」
「いや…何でもないよ?」
「嘘つき!!真鈴ちゃんの事が、私より好きなんだ…」
と、悠里乃は、涙を見せながら、俺を怒った。
「ゆりだけが好きなんだって!!」
「ホントに?」
と、悠里乃は、俺に言いながら抱きついて来た。
「ちょっ…と危ない!!助けて、徹!!」
「お、あぁ!!」
と、徹は、言って、階段で倒れそうになっている俺を一段降りて支え、俺を元の場所に押し戻した。
「あれ?今度はゆりから…」
ムギュ~っと悠里乃は抱きつき、顔を俺の胸にくっつけた。
「あのさ…先輩達が、見てるけど…」
と、俺は、先輩達の方を見た。
「俺らは、良いから、抱きついとけ。」
「凜…私を気にせず仕事して?ねぇ?」
「良いの?んじゃ、その言葉に甘えるよ?」
「先輩。懇親会の出し物の案ですよね?」
「そうだけど…良いのか?彼女…」
「はい。離れたくないらしいので…」
と、俺は、三年生の先輩に言って出し物案の紙を貰った。
「あれ…先輩。これは何ですか?」
と、俺は、???の所を指さし訊ねた。
「それは…人間チョコフォン…」
「却下。」
「何で却下する!!他人の話の途中で!!」
「予算的に…です。」
「なら、くじ引きで賞品GET♪みたいな…」
「んじゃ…その賞品は、どこから?」
「家から要らない物を送ってもらう」
「分かりました。それなら承認します。」
「ありがとう。」
と、三年生の先輩は、部活へ向かった。
今、俺と悠里乃、徹は3階の生徒会室近くの階段に居る。
「凜…」
「何?ゆり?」
「痛くない?」
そういえば、俺は、ずっと悠里乃に抱きしめられてたんだっと今、気付いた。
「大丈夫だよ!?俺は、嬉しいよ。ずっとゆりに抱きしめられて。」
「あの…俺らのは…」
と、二年生の先輩の一言で、俺は、急に天国から現実に帰されたような感じがした。
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