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外がやけに騒がしい。
簡素なコーヒー店でのちょっとした旅の休憩は、私の不安な心を落ち着かせてくれる。
騒がしいと言ってみたけど、そんなに気にするほどでもない夏の騒がしさだ。
ミーンミーンと執拗な声で私に語りかけてくる。
そんな語りをあえて私は無視しながら、ストレートのアイスティーにどこにでもありそうな安物のガムシロップを2つほど淹れてストローでよくかき混ぜる。
ストローでアイスティーをかき混ぜる度にガラスコップと氷の綺麗な音色を響かせている。
「ふぅ……。今日は何もしたくないなぁ…」
ふと私は何気なく思っていない事を呟いた。
「何を言ってるんですか松田さん。昨日までとは違って今日から1週間の有給じゃないですか」
私の後輩刑事の山崎がにこやかな表情で話してくる。
松田とは私の名前だ。
フルネームで言うと松田力士(まつだりきし)。
あだ名が「大関」で、親しい友人と先輩刑事方に風変りなあだ名で呼ばれてる31歳の刑事だ。
大関と呼ばれてるからさぞかし強いだろうと思うかもしれないが、実際そんなに力とか強さとかは微塵もない。
まぁ、実際数回ほど繁華街のチンピラに絡まれては俺と相撲で勝負しろとケンカを売られたのが始まりで、それが大関と呼ばれてしまうきっかけだからとんでもない。
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