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まぁ、とりあえず何処にでもいる普通に生き、己の刑事魂を磨き、日々職務に励んで身を捧げてる中年前のオッサン刑事だ。
「あぁ…。まぁ…。何というかあまり実感が無いなぁ……。」
力の無い声で山崎に話して、アイスティーをストローではなく直接ガラスコップに唇をつけ、半分位まで飲み干す。
口の中が紅茶の芳醇な香りではなく、逆にガムシロップのあまりにも薬品じみた甘ったるい口当たりに思わず顔をしかめてしまう。
私は後悔する。
安物のガムシロップでせっかくのアイスティーを台無しにした事を後悔する。
山崎が私を見て苦笑しているのに気づく。
「飲んでくれないか…?」
私が飲んだ半分残ってる甘ったるいアイスティーを山崎にすすめる。
「松田さんが注文したんじゃないですか。ちゃんと最後まで飲んでくださいよ。俺が飲むことになるならそれなりの報酬はいりますよ?」
メニューを持ち、山崎はこの店で一番値段の高いパフェを指してニヤニヤしている。
「言いたいことは分かったからメニューをしまってくれ山崎」
私は思わずため息をつく。
山崎が考えていることは、『そんな甘ったるいアイスティーよりも見た目が豪華で、なおかつおいしいものがマシですから勘弁してくださいよ松田警部』といううわけだ。
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