ハジマリ

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タンッ!! 突然店の中で銃声と人の悲鳴が聞こえた。 私は山崎に警察に通報するよう頼もうと思ったがふと頭のなかであることがよぎった。 通報すると自分の居場所を敵に教えてるのと同じではないか? だがこの瞬間事件が起こって店の中にいる客が危ない。 そして犯人が逃走する可能性は否定できない。 私はあいにく拳銃を持ってないので何か武器になる物がないか考えるが、そんなに冷静でいられない。 マスターの事も心配だからだ。 あの人がいくらベテランだったとしてもブランクがある。 射撃の腕が鈍ってるはずだと考えるのが妥当。 彼が退職してどれだけ経つかは知らないが、会話から考えて数十年がたつはずだ。 すると山崎が私の肩を叩く。 「どうした山崎?」 山崎が手で会話をする。 ハンドサインだ。 『武器なら車のトランクにあります。松田さんは手錠ありますか?』 「なんだって…?」 意外だった。 車の中に武器がある。 山崎が何故武器を所有してるか不明だったが今は問い詰める余裕はない。 「わかった。私はこのまま突撃するから急いで車から武器を持ってくるんだ」 ハンドサインで山崎は敬礼する。 『了解しました!』と言って静かに小走りで車に向かった。
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