予想外の始まり

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でも、じっとしててもしょうがないし、とりあえずコイツに従ってみよかな。 真っ直ぐ歩けとかゆわれても、方向とかなんもわからんし。 足が地についてる感覚もあんまりないし、イライラしてきた。 「お前、方向音痴か?真っ直ぐ前だって言ってんだろ。もうちょっと右」 あたしのイライラを逆なでた。 「全部真っ黒なんやから方向なんかわかるわけないやろ!」 「あぁ、そうか」 男がそう言った直後に、目の前に真っ直ぐ前方に伸びた幅2メートルくらいの道が現れた。 うっすらと輝いているように見える。 光の道。 「そこ、歩いてきて。別に走ってもいいけど」 「最初っから出してほしかったけどな」 あたしはひたすらその道を歩いた。 絶対走らへんからな。 あえてゆっくりいったんねん。 全面的にコイツに従う気はまだなかった。
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