出会い

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新任の者は この一年を振り返っているのか 目に涙を浮かべている。 だが 5年も6年もこの職をしている者の目は 渇いている。 卒業生を受け持っていない者は 尚更である。 保護者の目を気にしてか、 各々 生徒を誇らしげに眺めるような、 別れを惜しむような、 そんな表情を作っている。 この学校が特殊なわけではない。 どこも同じようなものだろう。 このように 僕が人の目を見るだけで 何を思っているのかが分かるようになったのは 幼少時代の出来事のお陰だろう…。
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