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卒業式が終わり、静まり返る校舎。 生徒は皆下校したかのように思えたが、 一人の男子生徒が屋上に続く階段を上がっている。 手に筒のようなものを持っている。 どうやら卒業生のようだ。 扉を開けると夕日の光が彼に降り注ぐ。 眩しそうに目を細め、彼は静かにフェンスに近づいた。 彼の目の前には沈んでいく夕日と、 紅の空が広がっている。 「…。」 彼の口元が微かに動いたような気がした。
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