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本来それは、所轄署の警察官の仕事でもある筈だ。
「千葉西署の署員は?」
「警視。西署は今、例の事件で手一杯ですから」
「あぁ、そうでしたね。あちらの事件は、どこまで進展したのでしょう」
「まだ、少しも……」
「では、こちら余計に急がなければなりませんね。こちらは、千葉北署の刑事課にお願いしましょうか。それと、酒出警部補に連絡を」
「はい。北署には、連絡を入れておきます」
柿崎の部下は、意味深な言い方をした。
そもそも、いかなる事件の最中であろうと、殺人事件が発生した可能性があるのに、現場の捜査員が手薄なのは大問題だ。
その為、柿崎自身が文句を言う人々の前に立ち、深々と頭を下げて事情を説明した。
それで、事態は収拾する。
文句を言っていた人々は、それぞれに自分の会社へと帰っていった。
「では、行きましょうか」
「はい、警視」
「ところで、酒出警部補はどうしました?」
「警部補は、本日非番です」
柿崎は、小さく息を吐く。
警察官たる者、非番でも何とやら。
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