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そこで、ビルに設置されているエレベーターの性能で、オフィスのフロアを決定しているとか。
「オフィスから、正面玄関まで三分を超えない階が条件だそうです」
柿崎は、オフィスの様子を軽く見てから、事件現場である階段に入った。
遺体は、既に運び出された後だった。
鑑識班が、指紋や微物の採取などをしながら、他にも物的証拠が無いか目を凝らしている。
「目ぼしい物証は、出ていないようですね……」
柿崎は、そう言い残し警備室へと移動した。
オフィス、階段、警備室と、県警や西署の捜査員がいるものの、どうしても各所で人員不足が生じている。
仕方ないと言えば、仕方ないと言えよう。
しかし、初動捜査のミスが事件解決の足枷になる事のは、柿崎の経験から見ても明白な事。
いかなる理由があろうと、人員配備には細心の注意を払わなければならない。
その辺り、既にミスと言えよう。
気落ちしつつ、警備室の面々と挨拶を交わす。警備室では、防犯カメラの映像の解析中だった。
犯行の瞬間の映像。
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