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夕方のニュース番組。
千葉西署管内で数日前から発生している、毒物飲料設置事件を報じている。
県警及び、千葉西署はその対応に大量の人員を導入していた。
それでも足りずに、近隣の警察署から応援を出した。
無論、千葉北署からも。
署長の高見沢の判断で、地域安全課などを派遣した。
高見沢にしてみれば、そうして応援を出している時に、別の事件が発生したらと考えての指示である。
「何せ、刑事課はうちのエースだからねぇ」
署長にそう言われれば、矢次としても引き下がるしかない。
事件は、一向に進展しない。
そんな中で、課の問題児である刑事が、北方の横に気味悪い笑顔で近付いてきた。
「北さん、どう思います?」
「どうって、何がだよ」
「この事件ですよ。やっぱり、無差別殺人事件ですかね」
「馬鹿か、お前は。このヤマのガイシャ、誰も死んじゃいねぇだろ」
「あぁ、そうでした……」
そんな事も分からないのかと呆れながら、北方は視線を送ろうともしない。
酒口 孝也。
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