第一章 容疑者確保

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   スマイル一番生命は十五階だけでなく、十三から十五階までのフロアにオフィスが入っている。  それ以外には、別の企業が入っている訳なのだが、特別なつながりが無い限りは、接点など無さそうに思える。  しかし、特別なつながりでは無かった。 「曽根崎さん? あぁ、知ってますよ。彼女、出社の時間がよく一緒になるので、下の入り口で顔を合わせると、挨拶しますから」  それと似たような証言が、いくつも出てきて、北方たち千葉北署の刑事を驚かせる。  こうしたケースは珍しい。  曽根崎 真美は気さくな性格であり、挨拶や言葉遣いに厳しい一面もある。  だから、同じ会社の人間では無くとも、顔を合わせれば挨拶をする。  場合によっては、軽く談笑をする事もあるそうだ。  そうした関係から、保険の契約をした者もいるそうだが、それを悪く言うものは誰もいない。  妬まれる事も、少ないという事なのだろう。  人間、生きていれば他人と衝突する事もあれば、陰口を叩かれる事もあるだろう。  それは、彼女の人柄の賜物。
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