第一章 容疑者確保

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         3    酒出 太志は、家族と共に東京ディズニーランドを満喫した。  東京ディズニーランドと言いながら、千葉県の浦安市にある。それは、どうしたものかと思いつつも、夢の国と言われるだけのものはある。  酒出など、一番似合わない場所。  そんな酒出すら、心を踊らせ数時間を満喫した。  愛する妻と、愛娘が一緒だからという事も楽しめた要因のひとつだろう。むしろ場所など関係なく、家族との時間を過ごせた事が、楽しかったのであろう。  陽が落ち、家路につく。  電車を乗り継ぎ、総武線に乗り込む頃には、酒出の娘の志津香は父親の膝の上で寝息をたてる。  小学校二年生。  まだまだ遊びたい盛りの七歳は、ディズニーランドという夢の国で、はしゃぎ過ぎたのだろう。  酒出は、そんな志津香の頭を優しく撫でる。 「あれだけ喜ばれると、また連れていってやりたくなるな」 「父さん、父さんって、べったりだったものね」  酒出の隣には、妻の明子が穏やかな顔で娘の寝顔を見つめる。  十以上年下の妻。
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