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柿崎の部下からのメールは、単なる報告事項とも取れる。
仮に、他の人間からのメールであれば、そのように受け取り美味い酒を飲めた筈。
だが、柿崎の部下なのだ。
緊急性があるのなら、柿崎本人から連絡してきそうなものだし、かと言って酒出の手が不要であるなら、部分にも連絡させないだろう。
「ったく、あのお偉いさん。こんな、余計な事をしやがって」
この事件は、長引く。
それは、酒出の勘では無く、現場を目にして柿崎が受けた直感なのだろう。
その参考人は、犯人では無いのか。
「違うんだろうな……」
この考えにたどり着くまで、生ビール大ジョッキを三杯と、熱燗の大徳利を五本ほど空にしていた。
小鍋仕立ての水炊き。
たらば蟹の天婦羅。
鰤の刺身。
烏賊の塩辛。
いくらおろし。
板前の出してきた肴も、それぞれが一口か二口分を残している程度。
酔っているとはいえ、警察官であるなら店を飛び出し、県警に駆け付けるところだろうか。
ところが、彼は酒出 太志である。
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