第一章 容疑者確保

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         1    千葉県警 千葉西警察署。  千葉市内の稲毛区と花見川区を、千葉北警察署と二分して管轄している警察署である。  その西署は、大きな事件を抱えて混乱の中にあった。  毒物飲料事件。  管轄内の自動販売機の受け取り口に、飲料が残されており、それに農薬が混入されていた。  被害者は五名。  前の利用客が、持ち帰り忘れたと思った利用客が誤飲し、救急搬送され事件が発覚した。  死者こそ出なかったが。  管轄内に捜査員が派遣され、自動販売機を調査したところ、五十を越える自動販売機から、毒物飲料が押収された。  マスコミは、こぞって事件を取り上げ報道する。  管轄内では、自動販売機の使用が禁止され、犯人の割り出しが急がれた。  事件発生から三日が過ぎた。  しかし、犯人が特定されるどころか、被害は拡大していってしまう。  パトロールのかい虚しく、毒物飲料が自動販売機に置かれていく。  県警が、捜査の指揮を取り始めた。  それでも、捜査は少しも進まなかった。
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