第一章 容疑者確保

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   事件発生初日こそ、五十を越える自動販売機に飲料が置かれた。  しかし、二日目以降は十台程度にしか置かれない。  ゲリラ的に行動する愉快犯。  パトロールの目を掻い潜り、時間も場所も統一性が無いのか、それを特定する事もできていない。  事件発生から五日目。  犯行は、エスカレートし違った形を見せた。  農薬入り飲料は、自動販売機では無く、コンビニやスーパーなどの、冷蔵庫に置かれるようになった。  自動販売機では、受け取り口に飲料が残っていれば、不審に思い通報されるようになった。  ところが、小売店の冷蔵庫。  農薬入りと通常の飲料の見分けがつかず、農薬入りを飲んでしまう確率が、飛躍的に上昇してしまった。  もはや、愉快犯では無い。  千葉県警と千葉西署は、無差別テロに対するように捜査員を増員する。  そんな中、転落事故が発生。 「そんな事故に、捜査員など投入できないぞ」 「しかし、被害者は死亡しておりますし、事故ではなく事件の可能性も捨てきれません」 「事件だと?」
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