ハッピーハロウィン

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トリック オア トリート! さぁ、今宵はハロウィンだ! 心踊る! 血湧き肉踊る! 「みたいな?」 とある小学校の職員室にて。 生徒達が来るハロウィンについて盛り上がっている。 「……あのな。 貧乏暇なしな俺にたかるなよ」 なぁにが、『みたいな』だよ。 ……と心の中でツッコミつつ、コーヒーを飲む。 俺、徳川 家汰(とくがわ いえた)は貧乏小学教諭。 コイツら五年二組の担任である。 「たかるとか人聞き悪いよな?」 「そうよ。 あたし達はハロウィンパーティをしようって言いたかっただけよ」 俺の言葉に生徒達が反論する。 「その費用は誰がだすんだよ……」 俺はため息混じりに言う。 「そんなケチケチするからモテないんだよ。 将軍は!」 「お金を使わないようにするのが知恵でしょ?」 更に生徒達は俺に意見する。 ちなみに……。 『将軍』とは生徒達が俺につけたあだ名。 立派なあだ名をつけて下さりやがった。 まぁ、安易……と言えばそれまでだがな。 「徳川先生、子供達の意見を聞いてあげたらどうです?」 俺の背後から渋い声が聞こえてきた。 「校長!」 ニコニコおじさん……いや、校長が俺の背後にいた。
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