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「そうか?ならいいのだが……」
「何かあったら私たちに相談するんだよ!」
「あぁ、分かってるよ」
アルトとユミの優しさが身に染みる。
前世では、こんなことはありえなかったからな……この世界に来てよかったと思える自分がいる。
一方で、美希を置いてきぼりにしてしまって悔んでる自分もいる。
だけど、この世界にいる限り、主人公に復讐……ができると喜んでいる自分もいる。
今思うと、前世での唯一気がかりなのは美希だけなのか…。
「秀?どうした?帰らないのか?」
「あぁ、今行く」
俺は鞄を掴んで、アルトとユミの背中を追う。
ユミとアルトと帰宅途中、フィーが反対側からくる。
そしてやはり、俺を見つけるとどこかへ行ってしまう。
「はぁ……」
走る後姿のフィーを見てため息をつく。
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