最強を受け継ぎし者

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まず、本屋に行って本を買ってお姉さんに軽く挨拶して友達に会いにいくか。 武器は重いからあまり長い間持ち歩くのは嫌だし、カバンも同じだ。 ちなみにこの国には魔物という生き物に対抗する為に帯刀は認められている。 武器と魔法のせいであまり治安が良いとは言えないが他国に比べて個人の戦闘能力は高いので魔物からの被害は少ないので危険性は他国とあまり変わらないだろう。 それはさておき、もうそろそろ本屋に着きそうだ。 あまり繁盛していない本屋に入り、適当に小説や魔導書を物色していく。 「あら。シンス君着てたの? 買う気がないんなら邪魔だから帰ってね?」 客に対する態度ではない本屋のお姉さんが妙にイライラとした雰囲気で話し掛けてきた。 「酷いですね。どうかしたんですか?」 「どうもこうもないわよ! あの糞野郎は……!」 またアイツの愚痴か……。 だいたい予想はついていたがいつもと同じパターン……本屋のお姉さんの彼氏の愚痴だ。 彼氏さんは俺とも知り合いなんだが、少しウザい。 俺と同い年で容姿はイケメン、頭はいい、優しく力が強い。 そして何より……魔力量が凄い。 この国では魔法……いや腕っぷしが物を言う。 就職も魔力が高い方が有利だし、決闘という制度があったりとだ。 そして強いと女の子にモテる。 まぁ、そんな娘はビッチが多いからモテても嬉しくないが。……いや、嫉妬じゃないからな。 そんな感じで物語の主人公みたいな奴なんだが、一つだけ欠点がある。 それは鈍感だという事。 無駄にモテる上に女の子からの好意に気がつかないから、女の子から友人としてのスキンシップではないべたべたした物でも気付かずに仲良く笑っており、よくそれで本屋のお姉さんはヤキモチを焼いているんだ。 特にお姉さんは顔しか見ていなかったり、将来安泰だからとかの理由でソイツに近づく女の子を嫌っているから尚更イライラするのだろう。 「お姉さんもたいへんですね。あっこれください。」 一通り毒を吐き終わったお姉さんに気になった小説と魔導書を2つ、計3つの本を渡して会計をしてもらう。 「あっ俺、国立の学校に通う為に王都に行く事になりました。」
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