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俺がこんな【優しく】抱く女、お前くらいだっつーの。
光栄に思え、派手女。
口に出さないのは、間違い無く俺の優しさだ。
いや、たまには出すが。
俺は野暮な男じゃない。
情事の時は優しい言葉しか吐かないのが、最低限の礼儀というもの。
“やさしく”
“やさしく”
指先をそえるだけで、ピクリと反応する肢体。
喘ぎ鳴く、【女】。
……嗚呼、絶景。
耳朶を打つ艶やかな水音に、俺は静かにほくそ笑む。
「千晶」
君のその朦朧として、潤んだ瞳が――…
「――好きだ」
…………。
俺の囁き声に、彼女の一際甲高く上げた声が被った。
当然だ。
俺がそうさせた。
もしも聞こえてしまったら。
彼女はどんな顔をして、俺に何を言うのだろうか。
“一晃くんやさしく”
“やさしく”
「ああ、わかってる」
優しく、ひたすら丁寧に。
俺は彼女に触れていく。
彼女の名前は磯千晶(いそちあき)。
丁寧な口調に派手な見た目の、俺の大事なセフレ様。
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