珈琲と香水Ⅱ

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悔しい。 切ない。 恋しい。 愛しい。 結局私は今のままでは、このほろ苦い彼の香りに包まれて。 「……千晶お前、香水強過ぎ」 この恋情に、身を委ねているしか無いわけで。 【彼からのキスはいつだって、唇でない場所に落とされる】 【だから私は私から、彼の顔を引き寄せる】 ――勝負に、出よう。 フラれたって構わない。 決意したのは少し前。 私は宣戦布告の台詞を口にするべく、ゆっくりと口を開いた。
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