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並んで歩く俺達の制服は同じ。
良家の坊ちゃんお嬢さんの通う名門高校の校章が、胸ポケットを装飾している。
俺の着こなしに乱れは無い。
白いワイシャツはグレーのスラックスにイン。
ボタンは第一ボタンまでしめて、ネクタイもしっかり襟の下に入れて。
学校指定のベストを着用。
その上できっちりブレザーを羽織る。
頭髪は茶で、唯一優等生スタイルから外れているが。
まあ色は暗めだから良しとしてほしい。
比べて俺の隣を歩くこの女。
まあ口調はいい。
言葉遣いだけは、どうにか品性を感じられる。
が、制服の着こなしは最悪。
着こなしっつーより着崩れ。
膝丈指定のスカートは、パンツ見えんじゃねえのっつーくらいに短く切られ。
校則違反のピンクのカラーシャツは、ブラ見えんじゃねえのっつーくらいにワイドオープン。
色を抜きまくり変えまくりのその髪は、今は傷みきった哀れな乳色茶髪。
おまけに今は見えねえが、コイツの両耳には計5つのピアスの穴があけられているのを、俺は知っている。
ハッキリ言ってその見てくれ、見る度引く。
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