一章 幕末にようこそ

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「やっと起きましたか」 さっき顔を覗いてきた人はそう言ってニコっと笑った。 「あの、ここはどこなんですか……ってさむっ!!」 布団を出た瞬間、肌を刺すような寒さに襲われた。 季節はまだ10月のはずなのにどうしてこんなに寒いの!? この寒さだと長袖とセーターだけでは震えが止まらない。 「そうですよね。今日はいちだんと冷え込んでますから。 はい、上着をどうぞ」 そう言って彼は………羽織り?を私にかけてくれた。 よく見ると、そこにいる二人は着物を着ていた。 まあ、今の時代でも着ている人は着ているしありえなくはないけれど。 それより、 なぜ季節までもが違う!?ここ、完璧真冬だよ。 だって今話しをするだけで吐く息が白く曇るもの。 「それで、あなたに聞きたい事があるのですが」 上着をかけてくれた男の人がまるで興味津々に私を覗きながら聞いてきた。 「あの、私も色々聞きたいことが……」 「それには後で答えますし、僕からの質問は一つだけです。 あなたは土方さんの隠し子じゃないですか?」 はい!?隠し子?
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