一章 幕末にようこそ

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「あの………隠し子とはいった「総司!!だから俺には隠し子なんていねえって言ってるだろ」 私がさっきの言葉の真意について聞こうとした直後、この場にいたもう一人の男の人に思いっきり被されてしまった。 「だってこんなに似てるんですよ、土方さんとこの子。 血の繋がりを感じずにはいられませんじゃないですか」 「だからってありもしないことをこのガキに吹き込むんじゃねえ! 俺にガキはいない。これはお前もよく知ってる事実だろ」 「それはそうですが……」 なんだかこの二人だけでどんどん話しが進んでいるせいか、私が会話に介入する隙が全く無くなってしまった気がする。 でも、今はそうなってて良かったかもしれない。 だって、 私の頭はもうこの状況がよく飲み込めず、オーバーヒートを起こしてるもの。 そんな私を置いておき、この二人はさらに話しを進めていく。 「でも土方さん、昔奉公に行っていた松坂屋で年上の女性を妊娠させたって「あぁぁぁぁああ!!聞こえねえ、俺には何のことだかサッパリわからねえ」 「白々しいですよ土方さん」 なんだかこの二人の会話ももつれてきたみたいだし、さすがにここがどこだかぐらいは聞いておきたい。 質問するために、手前にいた黒髪の男の人の肩を叩いた。 不意に振り返ったその男の人と目が合った瞬間、私は凍りついた。 だって、 ――――――気味が悪いぐらいその人は私に似ていたのだから。 まるで親子のように。
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