一章 幕末にようこそ

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「な…………何者なんですかあなた! なんでこんなに不気味なほど私に似てるんですか!!」 私は驚きのあまり大声を張り上げてしまった。 いや、でも、家族や親戚でもない人がこんなに私に似ているハズがない! もしかして…………。 「それはこっちが聞きてえこった。 なんでお前、こんなにてははふっ!?」 これはメイクか何かだな! だからこんなに私に似せることが可能なのだろう…………っていうかそうでないと困る。 そう思った私は、喋っていた男の人のほっぺたを思いっきり引っ張った。 「なんだかわからないけど、このそっくり顔はメイクで私に似せたんでしょ。 私は騙されたりしないんだから!!」 これが身内か友達のイタズラならこれでもうネタバレのはずだ。 そう私は思っていたのだが、 「へへーひひはひはひひははふ。 (テメェいきなり何しやがる。) ほっひはほーふふっへんはは……… (そっちがそうするってんなら………)」 男の人がそう言うと、私が男の人にやっているまま男の人は私のほっぺたを引っ張った。 「そ、そっひがはひひへはふはほひはへはふへにはひふるんへふは!! (そ、そっちが先にイタズラを仕掛けたクセになにするんですか!!)」 「ほはへははんへほんははへふふほはひはへーは、ほへはほはへひへーははふはひへほはっへっは。 (お前がなんでこんなことするのか知らねーが、俺はお前みてーな奴が来て困ってんだ。)」 なんだか会話をしている私達にも相手がなんて言っているのか分からないけど、男の人の顔を思いっきり引っ張ってみて分かった。 ………この人、素でこの顔だ。
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