一章 幕末にようこそ

2/25
前へ
/50ページ
次へ
身を切るような寒さの冬、やっぱり暖をとるなら 「火鉢が一番ですよね、土方さん」 「だからってなんでここにいるんだ、総司!」 「やだな~、そんなの決まってるじゃないですか。 近藤さんはいなし、自分の部屋には火鉢がないからここへ暖をとりにきたんですよ」 そう言ったら土方さんは、僕の首根っこを持って…………外へ放り投げた!? 「って今いつだと思ってるんですか土方さん!! 真冬ですよ。それなのに、上着の一つも着せずに部屋を追い出すなんて」 「それはお前が隊務をしている俺の邪魔をするからだろう」 「邪魔なんてしてないじゃないですか!! ただ僕は土方さんの部屋にある火鉢で暖をとっていただけなのに」 「部屋のど真ん中陣取ってる奴がよく言う。 そんなに暖まりたいんだったら、倉まで火鉢をとりに行け!!」 「それが嫌だからわざわざこの部屋まで暖まりに来てるんですよ」 「とにかく隊務の邪魔だ。上着をやるから取りに行ってこい」 「ふべっ」 ほんと土方さんは横暴ですね。 まあ、上着は寒いので借りますが。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加