一章 幕末にようこそ

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僕は凍える体をさすりながら倉に行った。 「倉の中って外より寒いから入りたくないんですけどね」 倉の中は日中日の光に当たらないから外よりずっと寒い。 しかも今日はいちだんと寒い日だ。 そう思いつつ、火鉢を手に入れるために倉の中に入った。 「寒い!!早く火鉢で暖まらないとほんとに凍え死ぬよ」 袖に手を突っ込んで身を強ばらせながら僕は火鉢を探した。 火鉢を探して倉の奥に入ると、突然僕の足に何かがぶつかった。 だが、ぶつかった感触が物にしては柔らかく、しかも大きい。 倉の奥は真っ暗で何があるか見えなかったからろうそくの火を取りに行こうと思ったので、一緒に外へ持ち出そうと思いそれに触れた。 するとそこに、人の顔らしい感触があった。 「寒っ」 って人!?なんでこんなところに人が倒れてるの? というかこの人すっごく冷たいんだけど。 慌てて倉から出してみると、その子は女の子だった。 「なんでこんな子がうちの倉にいるんだろ?」 そう思ってその子の顔を見てみた瞬間、僕は顎が外れるかと思うほど驚いた。 だってその子………… ******
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