一章 幕末にようこそ

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「………ひじ……………認め…………………どっから……………くり…………」 「…………ちげーって……………だから…………ってる………」 なんだ? 上の方から話声が聞こえる。 というか、このもふもふした感触は布団かな。私いつの間に寝てたんだろう。 そうだ、私倉の中で気絶しちゃったんだ。多分お母さんあたりが家の中に運んだのかな。 ならもう少しは寝ててもいいかな。今はテストもないし。 なんて思っていたら突然私のほっぺたがつつかれた。 「なんですか?」 私はまどろみの中から無理やり目を開けた。 「やっぱり。土方さんにそっくりですね」 目の前に現れた男の人はそう言って笑った。 土方さんってお父さんのことかな?お母さんよりは似てるし。 って、なんで私の部屋にこんな男の人がいるの?! そう思って慌てて飛び起きてみたら、 「こ、ここどこですか」 私の目にはおおよそ私の部屋にはないものばかり目に入った。 部屋は畳式だし、ベッドじゃなく布団。周りには掛け軸や坪などという、完璧に和室として出来上がった部屋。 今の私がわかったことはたった一つ。 ここは私の部屋じゃない!!
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