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「イケメンのBちく」
それが父の残した最後の言葉だった。
考古学者だった父は、遺跡から遺跡へと世界中を飛び回っていたが、ある日、この言葉を発した直後に電話は切れ、それ以降父の消息はつかめなくなる。
当時17歳だった私は、父の残した謎の言葉の解明に全力を傾けた。
そして、父の残した資料やノートを読み漁った結果、ある預言書に書かれた一文にたどり着く。
「日出ずる国において・昼が夜より短くなって間もなくの頃・大きな卵に美男子の乳頭を捧げよ・されば道は開かれん」
昼が夜より短くなって間もなくとは、秋分の日を過ぎて間もなく、つまり9月下旬から10月中旬を指す。
大きな卵とはビッグエッグ、そう東京ドームのことだ。そしてこの秋、その東京ドームにて『秋の収穫祭』と銘打ったKARASHIのコンサートが行われる。
つまり、美男子の乳頭、イケメンのビーチクがそこに揃うわけだ。
父が失踪してから去年まで、秋に男性アイドルのコンサートはここ東京ドームでは行われてはいない。
だから、私の推理が間違っていなければ、今年のこのコンサートで何かが起きるはずだ。
そして、そこに父が現れると私は信じていた。
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